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ブラコン
恐らく僕の、この顔の赤さはお風呂のせいだけでは無いはずだ。
兄に指摘されて、さらに顔をカァー…と、赤らめたが僕は
「の、のぼせてしまったのかもしれません」
と、もっともらしい言い逃れをした。
「…そう。でも、まだ上がるのは早いよ?」
さらに兄は僕を抱きしめる腕に力を込めた。
「そういえば莉央」
「はい」
「私がシャワーを浴びている間、ずっと私の事を見ていたね」
「ッ!!?」
やはり気づかれていた。
ど、どどど、どうしようッ!!
「何故だい?大丈夫だから安心して正直に話してごらん」
兄に優しく促され、僕は素直に思った事を話すことにした。
「その、僕と違うな…と、思って…、何て言ったら良いのか僕自身考えがまとまらないのですが、兄さんが綺麗で目が離せなかったのです」
僕が照れながら言うと兄は驚いた顔をした。
「私が綺麗?」
そして兄はまたクスクスと笑った。
「なッ、何で笑うのッ!?」
僕は顔を真っ赤にして兄に大きな声を上げた。
「…まさか、莉央に綺麗と言われるなんて想像だにしなかったから驚きと共に少し可笑しくてね…」
兄は僕の体を離すと立ち上がった。
振り返って兄を見上げると、屈んだ兄に二の腕を掴まれて僕まで立たされた。
さっきは背面だったけど、今度は正面から兄と対面する。
恥ずかしくて僕は腕で自分の体を隠そうとしたが両腕を兄に掴まれ万歳をさせられた。
お互いに全裸で腕をあげられているので隠すものは何も無く、僕の全てを真正面から兄が見つめた。
恥ずかしすぎて顔を横に背けたのだが、どうしても兄の視線が気になって仕方がない。
「に…にいさん」
「莉央の方が私よりも…何百、何億倍も美しい。男女含め私は沢山の人を見てきたけど…こんなに美しい人を見た事がない。全てがとても美しい…」
兄が僕の腕を離してくれた。
だから僕は体を隠そうとしたのだが…
「莉央、隠してはいけないよ?」
「え?」
「何も恥ずかしい事はない。こんなに美しいのだからもっと誇りなさい。私に莉央の全てを見せてくれないか?」
「…そ、そんな事…出来ない」
「私に見られるのは嫌か?」
「だって、恥ずかしいです」
「私は弟の成長を見届けたいだけだよ?莉央も私の体を見れば良い。それならお互い様だから恥ずかしくないだろう?」
兄が僕の腕を取ると、兄の身体に導いた。
「兄さん?」
「さっきから私の体が気になっているようだから、触ってみるといい」
促されるまま、僕の小さな手が兄の男らしい身体に触れて、自分とは違って筋肉質で硬い腹筋の感触に僕は興味津々で無言で触り続けた。
すると兄が急に僕の腰に触れた。
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