Protect 決心 「私にも莉央の体を触らせてくれないか?」 「僕の体を?」 「眼鏡が無いから、よく見えなくて…触って莉央の成長を確認したいんだ。…別に変な意味は無い」 他人だったら絶対に僕の美しさに欲情している所だが、心身ともに美しい兄は純粋に弟の僕の成長を“兄”として確認したいのだな。 そう思って僕は信用している兄に向かって微笑みながら頷く。 ちなみに他人だったら僕の裸を見た瞬間で死刑決定だ。 しかし兄はいきなり僕を抱きしめた。 「えっ?!兄さんッ!?」 いくら兄弟とはいえ裸で抱き合うのは不自然ではないだろうか。 僕は少し疑問に思うが、兄さんを信用しているから抵抗はしない。 兄は身体を離すと僕の胸に顔を近づける。 「目が悪くてよく見えないんだ。近くに寄っても良いだろう?」 兄の視力が如何ほどのモノなのかは分らないけど、確かに兄は毎日眼鏡をかけている訳だから…、無下に兄を押しのける事も出来ない。 すると、兄の唇が僕の胸の突起に触れたと思った瞬間… −ジュッチュウ−−− 「ひゃあぁぅう!ゃあ、に、にいさんっ!?」 む、胸を…吸われたっ!!? 何のつもりッ!? ビックリして兄を見れば 「莉央のココがあまりにも美味しそうだったので、我慢できなくて味見をしてしまったよ」 そう言って僕の胸先を指で摘んだ。 「んゃ、にぃさん…ッ!やめて、」 兄が器用に僕の胸を刺激するたび、それに反応するかのように体に甘い電流が流れビクビクしてしまい、呼吸が乱れる。 いくらなんでも兄弟で胸を刺激するのは絶対に変だ! それに、兄さんの手つきは弟の成長を確認する感じではなく明らかに……ひ、卑猥な感じがする。 性的な経験値が無い僕でもこれがイヤらしい事だというのが分ってしまうのだ。 僕が戸惑っていると兄はまた僕の胸に顔を近づけ舌先で、立ち上がった乳頭を刺激した。 「ゃああっ、んっ…ぁ、やめてッ…あ、にぃ・・・さぁんッ!!」 「莉央…凄く、かわいいよ」 −ぴちゃ、ぴちゃっ 僕の胸を愛撫する兄を涙で歪む視界で見下ろした僕は、いくら何でも気いてしまった。 兄はこれから僕を… 犯すつもりだ。 聡明で容姿端麗な兄は他の連中と違って僕なんかに欲情しないと思って油断していた。 何より兄弟だ。 それに…今までこんな事は無かったのに今になって兄は僕に手を出してきた。 視線を下へ向ければ兄の性器が変化していた。 僕のとは色も形も大きさも違う兄さんのソレが雄雄しく反り上がって起っているのを見て僕は恐怖した。 明らかに兄さんが僕に対して…興奮している。 男の、しかも弟の僕に対して・・・。 僕は美しい、それ故に僕に対して恋愛感情や色欲の念を抱く者は数え切れない程いる。 学校の連中、僕の親衛隊も同じ男の僕を性的対象として見ている事は知っている。 だけど、僕は男性に対してそんな感情が無い。 簡単に言えば僕は異性愛者だからだ。 だから、周りの男が僕を見る熱い眼差しを感じて嫌悪感を抱いていた。 もし、欲情した男が襲ってきたら僕は抵抗して、汚い言葉や罵声を浴びせたりするだろう。 いつぞやかに醜いキモデブ男の集団に捕まった時のように・・・。 しかし、恐怖感を感じつつも大好きで尊敬する兄に対しては強い抵抗が出来ないのだ。 僕に触るな変態ホモ野郎!!なんて言葉は死んでもいえない。 兄に対して汚い暴言を言える訳が無い。 信頼していた兄の裏切りにショックを感じつつも、本気で抵抗が出来ない。 抵抗した所で無駄と言う事も分っていたからかもしれない。 大声を出して助けを呼ぼうにも、今の時間は使用人も帰宅しているし、よりにもよって家族皆、定例会でいないのだから、この広い屋敷に僕と兄の二人だけ。 …でも、もし家族がいたとしても僕は助けを呼ばなかったと思う。 兄さんが僕に欲情してしまった事を家族に知られる訳にはいかないから。 不安と絶望と戸惑いと傷心に打ちひしがれながらも、僕は逃れようの無い現実と立ち向かうことにした。 ・・・兄さんを… 受け入れる。 僕は諦めと言う名の決心をした。 [*前へ][次へ#] [戻る] |