Protect
自分好き
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あぁ・・・僕は美しい、とても高貴で輝いている・・
何の変哲も無い学校のトイレ、くすんだ白いタイルも、この空間に僕がいるだけでソレは白い大理石へと変わる。
鏡に映った僕は今日も愛らしい・・透ける程白く雪の様に滑らかな肌と自然に色づく薄紅の唇と頬、サラサラの髪・・・まるでおとぎ話の本から出てきたような存在だ。
もしかして白雪姫のモデルは僕?
この世で一番美しいのは・・・当然、僕!
鏡に映る僕自身に見とれていた時だった、この美貌の僕の背後に一人の男が鏡に映り込んだと思った矢先・・・
「近藤家奥義ッ!膝カックン!!」
「うわっ!!?」
膝カックンをされたッ?!奥義とか言っているが至って普通の膝カックンをされた!!
僕は近藤にされるまま膝が曲がり腰を落としてしまいそうになる・・・・が、背後にいた近藤に抱きしめられ地面に尻餅をつかずにすんだ。
助かった・・・って、違う!もともとの元凶はコイツだ!
僕に膝カックンだと!?ふざけるな!発言だけではなく行動までも人をイライラさせてくれる。
以前、放課後のパソコン室で醜い豚男達に強姦未遂されかけて以来、近藤と行動を共にする事が増えた。
一応彼の名目は僕のボディーガード。
しかし、僕のストレスはたまる一方だ。
近藤の発言は僕を褒めるどころか、性格悪いだの、猫被りだの、ナルシー過ぎて気持ち悪いだのと言いたい放題!
…悔しい事に間違っちゃいないが、今まで他人からは褒められる言葉以外かけられた事のない僕は近藤の発言の数々にダメージを受けている。
しかも、言葉だけでなく最近は僕にイタズラまでしかけてくる。
イタズラといっても小学生がやりそうなバカバカしい低レベルなモノばかり…、先程の様な膝カックンや、僕の椅子にブーブークッションをしかけたり、肩を叩かれたので振り向けば人差し指で頬を突っ突かれたり……そして驚いて困惑する僕を見て近藤は腹をかかえて笑うのだ!
いったい僕を誰だと思っているんだ!失礼にも程が有るッ!!
「莉央さぁ、さっき鏡に映る自分に見惚れていただろ?」
―ギクッ!
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