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私達は立つ!
狂喜、凶器。

「逃げて、幸!速く、」
「嫌よ、パートナーなんでしょ。私達。」
「でも、だめ!幸は……!」

そうは、言ったけれども。
経緯ある記憶は既に無い。
私か、私じゃない誰かなのか。
はたまた、私なのかも。

「滅びろ、……!」
「間に合え!僕らの世界に。開け、アグモン。」
「俺らを導け!」

他人事みたいなソレは止む。
そして、そこで、我に帰る。
また、あの夢だったのか。と
笑いあって、戦ってたのは。
仲間のおかげだったのに…。

考えの先は必ず後悔になり。
私は静かにため息を落とす。

木々が覆うここなら、見つかりにくい。と理解して、森に身を隠す。木々の隙間から零れる光は長い。…東の空に浮かぶ太陽で、朝だと理解して、ため息をまたひとつ。
獣の耳が、音を拾い意識は覚醒していく。微かな音、という点から考えると、物音は遠く。そっと、息を潜めて草木に隠れる。確か、こんな恐怖に怯えて生活をしていた気がする。…もしかすると、記憶違いなのかも知れないが。
最近はカイザーとか言う奴が世界を狙う為にデジモンを操っている。と聞いているが、私、という個体は外界を嫌って逃げる。

それともアレとも完全に異なる姿が水面に移る。

「くそっ……。」

野次って、水面を叩きつけ走り出す。逃げ回る生活は、指折り数えるより沢山。もしかすると一年二年。もしかすると五年六年。下手したら十年近いかもしれない。確実に、何日も過ごしているのは言えること。あの時は何に怯えていたのだろうか。私にはわかり得ない。

「呼出凶器-メイクアップ・ウェポン-。天駆ける風の翼。」

大きな跳躍と砂を舞わす強風の力を借りて、空に飛び出す。…それが間違いだ。

「ぎゃん!」
「な、な、なんか轢いた。」
「いやいや、ここは空中だから。」
「あ、人間だよ、空ァ。でも、今の子なんか変。」
「人間!?バードラモン、助けてあげて、パートナーデジモンも近くにいるはずだから、早く!」

推進力をバードラモンにぶつかった事で無くし、私、という個体は重力に従って下に落ちていく最中で、また意識を落とすのであった。








狂喜、凶器。
(え、ヒロイン登場一話。いや一ページでまさかの死亡フラグ確定ですか。)(ダメー!!)(バードラモンのまさかの鷲掴み。あぁ、仲間がみえ(起きて!)無理。会いたかったよ!お母さん!)


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あきゅろす。
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