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私達は立つ!
始希、端稀。

デジタルワールドでの慈善活動を切り上げて、少年は仲間と離れ帰宅する。
最愛のパートナーは、寒かったと言わんばかりに我先にと入っていくのを見て追いかけるように中にはいる。
それからは、お風呂に入って、ぼんやりしてご飯を食べて、よそと変わらない行動をしていた。

テレビのニュースが火事が起きたとか、誰かを殺したとか、ブラウン管の向こう側で無機質にソレを伝えていた。
食後にお茶を飲みながら、高石タケルは懐かしい昔話を頼れるパートナーとしていた時であった。

続きまして、山場のキャンプ場で子供が八人が行方不明になった事件が今日で十年を迎え、行方不明になった子供たちの親族が献花の為に登山しました。
行方不明の八人は、行方不明になる日に会いに行くんだ。と言って行方不明になっているそうです。集団連れ去り事件となっていましたが、来月1日に時効が成立します。

「タケル、八人だって」
「八人か。昔の僕らと同じ人数だね…まさかね」
「どうしたの?」
「もしかすると、その八人が、先代の選ばれし子供たちだったりして。」

なんてないよね。なんてうやむやにしながら、高石タケルは乾いた笑いを浮かべた。

「な、わけないよね。気のせいか。」

そしてまた、テレビに自然と目を向ける。あいも変わらずにブラウン管の向こう側でアナウンサーが言葉を連ねいていた。

行方不明になった中の一人、匹野幸ちゃんの母親が、笑顔で行ってきます。と言った姿は、いまでも瞼の裏に残っていると胸中を語ってくださりました。それでは、次のニュースに移ります。


始希、端稀。
(世界はいつだって、無慈悲だ。って、僕は知っている。)(タケル?)(ううん、なんでもない。)

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