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昼間から
チャイムを鳴らす。応答はない。非番の日で昼近い、出かけているのかとも考えたが、連絡した時間はまさに今で、しかも人の気配がする。
『……はい』
じれてきたところにようやくインターホンが音を立てた。ややかすれた声だ。
「ヴィリ?私だ、具合でも悪いのか」
『…ああ。すみません、ちょっと立て込んでて。すぐに入ってもらいます、か、ら…ッ!』
「ヴィリ?!」
途切れた声に驚いてドアに手をかけると、なんとロックがかかっていなかった。
倒れているのかもしれないと、中に入る。
物音のする部屋にまっすぐ向かう。
扉を開けて、―思考が真っ白になった。
濃いアルコールの匂いと、部屋の中央には髪を下ろしジーンズ一枚の従弟。それだけなら良かったのだ。
ヴィリは確かに倒れていた。いや倒されていたと言うべきか。床の上で半裸の女性2人に挟まれて端末と眼鏡を取り上げられているところだった。
「眼鏡返して」
「嫌よ、まだ遊びたいわ」
黒髪の女性が眼鏡を持っている。
「先約だからダメです」
「混ざっちゃえば?私はいいわよ、ねえ?」
にこりと微笑まれる。唇の赤が鮮やかなことはよく見えるのだが何を言われたのか理解できない。混ざる?いや、それより目をそらさなければ。やりどころに困るというかない。
その間にどうにか眼鏡を取り戻したらしいヴィリが立ち上がり、ソファに移動する。
「帰ってもらえますか」
それを聞いて赤いルージュの女性が肩をすくめる。
「混ざれると思ったのに」
「そういう人じゃないんで」
「じゃあ何、本命?」
黒髪の女性が言った途端、従弟の表情が抜け落ちた。
「ッひ…」
「行きなさい、帰るわよ」
遠くに女性の声を聞いた気がする。自分はというと、なぜかソファに沈み、唇に触れる感覚。足払いをかけられたのだと数瞬後に気づく頃には口内を貪られていた。未だ残るアルコールに脳が痺れる。舌を絡められ、順番に歯列がなぞられる。ぐらぐらと目を閉じても揺れるような
感覚に襲われる頃、ようやく解放された。
「ほんと、警戒心無いですよね」
息も乱さずに言うヴィリが恨めしかった。



ヴィリヤグ。
仕事以外の人間関係は手抜き。やりたい放題ヴィリ。
たまには昼ご飯食べない?とかなんとか約束してたような。


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あきゅろす。
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