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接触
「、ヴィリ!」
「だから危機感が足りないって言ってるんですよ」
乗り合わせたエレベーターで世間話をする。ばらばらと人が乗り降りして2人きりになって、不意に唇を重ねられた。
「ヴィリ」
もう一度。
「突き飛ばせばいいじゃないですか」
柔らかい感触。男でも女でも唇はそう変わらない。
息苦しさを覚えると離れ、またすぐに重ねられて口内を探られる。繰り返す、激しいと言うよりも
――甘い、キス。
眩暈がする。途中から自分でも求めていた。
「時間切れですよ」
軽く響くエレベーターの到着音。
あっさりと離れる体温に、ようやく相手を思い出した。
「俺相手でそれだけ溺れるから、危なっかしいって言ってるのに」
コートの裾が翻る。
「いっそ俺だけに溺れてくれたら、もう危なくないのかな。
―それでは、ロッシュ中佐、失礼致します」


流されやすいロッシュ。


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あきゅろす。
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