第2章第4話:覚醒
Spieldose第2章第4話
「覚醒」
リ…リート・シュメターリング
黒リ…ブラックリート
タ…タクト・オトハ
ア…アスカ・クラフト
クレ…クレア
マ…マドル
ス…スー
クー…クー
母…リートの母親
〜ヴィスタリカ〜
リ『……痛みが、こない?』
ア「くっ…!」
リ「アスカ!…ボクを、庇ったの…?どうして!!」
ア「バカ、ヤロー。耳元でそんな大声出すな…っての」
マ「アスカ何で……その行動がどういうことを意味するのか、分かっているのか!?」
ア「らしくねぇな、マドル」
マ「!」
ア「ちゃんと…理解、してるさ。オレがコイツを庇う。つまりオレが親父を裏切るってことだ。組織、も…オマエもな」
タ「アスカ…」
マ「…そこまでする理由は、何だ?」
ア「…?」
マ「オマエがそこまでして、女を庇い、オレ達を裏切る理由は何なんだ」
ア「…この世界は確かに腐ってる。だがそれを正そうとするオマエらのやり方、引いては親父のやり方にずっと疑問を持っていた。どうしてここまで無駄な血を流さなきゃならない?…オレは、間違ってると思う」
マ「そんなのキレイごとだ!!」
ア「そうかもな。けど、理由はそれだけじゃ、ない。…やっと見つけたんだ、大切なモノ。そのために、オレは全てを投げ売ってでも守るって決め、た…!」
マ「…そう。残念だよアスカ。たった今からオマエは、シュヴィンデルの裏切り者だ!」
リ「アスカ…血が、止まらないよ…!」
ア「はっ…何泣きそうな顔してんだ、よ。オレは…こんな傷くらいで、死なねぇ……オマエは、オレが守るからな」
母『リート、泣かないで…あなたは、私が守るからね……』
リ「いや、もう…お母さん…"私"……いやああああ!!」
ス「し、ししょー!からだが動かないぜ!!」
タ「え?…僕はそんなこと、無いんだけど……」
クレ「まずいな…リートを早く止めないと…!取り返しのつかないことに!!」
黒リ「……何もかも燃える匂い、血の海、途絶えぬ悲鳴…全てがあの時を思い起こさせるね」
マ「何だこの力は!女、何をした…!」
黒リ「………」
マ「!もしかして……昔ボスに聞いたことがある。とある小さな村で魔女を火炙りにしてたところ、その娘によっていきなり村人全員が金縛りに遭い虐殺されたと…」
タ「そんな、その犯人が…」
黒リ「そう、私。私が全員殺したよ。この手でね」
マ「…く、くくくく…」
黒リ「…何がおかしいの?」
マ「まさかブルーミストにこんなバケモノがいたとはな…」
黒リ「バケモノ…」
マ「そうだバケモノ!オマエも人のこと言えないよなぁ…このイカレタ魔女が!!」
クレ「!!それ以上は!!」
マ「やっぱり蛙の子は蛙なんだよ!イカレタ魔女からは、イカレタ魔女しか生まれない…!虐殺好きのバケモノめ――!?」
黒リ「…おしゃべりは、そのくらいで十分だよね」
マ「か、っはぁ…!」
ア「マドル…!!」
黒リ「…お前に私の何が分かる。こんな世界など…何もかも全部消えてしまえばいいのに――!」
ス「ししょー…おれ、こわいよ…!」
クレ『殺気が増してる…このままじゃ、あの時の二の舞だ――』
タ「リート!!」
黒リ「は、離して!!離せって言ってるでしょ…!」
タ「…いやだよ」
黒リ「!!」
タ「リート、僕には君がそこまで世界を憎む理由は分からない。だけど…だけど君の力になりたいんだよ!」
黒リ「うるさい黙れ――!!」
タ「僕は、何があってもリートの味方だから…」
リ「…タク、ト…"私"は……」
ス「…あ、動ける…」
ア「リート!!」
タ「大丈夫、気を失ってるだけみたいだ。アスカは?」
ア「もちろん平気だ、ぜ…」
クレ「今、回復薬を飲まるから安心して♪それよりタクト、君は一体――」
クー「お兄ちゃん!!」
ス「クー!!よかった…ぶじで…!!」
クレ「……ケガは無いみたいだね。本当、心配したんだから!」
クー「ごめんなさい…」
クレ「…おかえり、クー」
クー「ふぇ…ししょー!」
ア「…感動の再会の中悪いが、のんきなこと、言ってられないみたいだぜ」
タ「え?…村が、火で囲まれてる!!」
ス「そんな!じゃあ出口がないのかよ…!」
クー「ぼくの、せいで……」
ス「!ちがう!おまえはあのわるいヤツにだまされてただけなんだ!!」
ア「原因云々は後でいいからまず打開策を考えろ!…話は、それからだ」
タ「でも、どうしよう…まだ村の人たちもいるのに…!」
クレ「…1つだけ方法はあるよ」
タ「本当ですか!」
ス「…クー、おれたちの力でたすけよう」
クー「でも、こんなにたくさんの人たち…」
ス「バカ!おれたちにしかできないんだぞっ…みんなをすくうんだ。できるよ、2人なら」
クー「お兄ちゃん……わかった」
タ「―!そうか、空間転移術!」
クレ「ただしチャンスは1回きりだよ。この子たちに、賭けるしかない…!」
ス「…いくぞ、クー」
クー「うん。みんなを、あんぜんなところに――」
ス・クー「「とべええええ!!」」
To be Continued...
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