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< サプライザー >



――――この学園に存在する進学クラスのうち"特進"と呼ばれるクラスは2つある。

特進Sクラスと特進Aクラス、略して特S、特Aと呼ばれているこのクラスは家柄、容姿、能力のトータルランキングで上から順に編成されている。

―――資本主義と実力主義が反映された結果、家柄で勝ち目のない者は特Aとならざる得ないため、特Aの者は特S選抜の生徒会にはあまり良い印象を持たないと噂されていた。







―――件の転校生がやってきたあの混沌の時期。

特Aの反応は最高に"笑い狐"を楽しませてくれた。



『――――馬鹿じゃないの、生徒会』

『なんか、生徒会室に転校生引っ張り込んでるらしいぜ』

『職権乱用もいいとこじゃん。信じられんねー』

『―――これだから金持ちのボンボンは頭悪すぎ』





―――もう腹捩れるほど笑えた。





件の転校生の去り際、学園中の生徒の目は点。


―――あの転校生に首ったけな生徒会役員が、突然構いもしなくなったからだ。それどころか、乱闘の罪で自主退学という重い罰をあっさり承認したことに全員が全員、首を傾げていた。


―――――宗助、真彦。

特に互いをそう呼び合うようになった副会長と書記の関係は、"幼馴染"という関係がわかるまでこの学園中を大混乱へと導いた。






―――――あの日の特Aの"静まり"ようといったら。





「―――――――傑作ってね」

神崎卓は授業中の静かな廊下で人知れずニヤリと笑っていた。





ああ、これだから。

人を驚かせるのは止められない。



ああ、これだから。

人を欺くのは止めらない。




そう食えない笑みで獲物を探して歩く"神崎卓"は最低のトリックスターで、そして最凶のサプライザー。




「――――次回乞うご期待」



―――笑い狐はそう舌舐めずしていた。





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サプライザー:
驚かせる人

トリックスター:
騙す人

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