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< 宣戦布告 >
「―――人に名を聞く時は、まず自分から名乗るのが礼儀ってもんだろっ!!」
ガキがわめくのを真田晃平(さなだこうへい)は片眉を上げて見つめた。しかし次の瞬間には、我が意を得たりというようにぞっとする笑みを称えた。
「―――真田晃平」
紡がれる声は低く甘やかに。
そして、そっと囁かれた。
「――――オマエが忘れられなくなる名前だ」
「??・・・晃平か。・・俺、金山雄大。雄大って呼んでいいから」
もじゃ頭は一瞬首を傾げ、元気良く名乗りを上げた。
ざわつく食堂に響く甲高い声を聞きながら、真田は紺野真彦のおかげでいつになく良い拾い者をしたと冷笑した。
―――――さぁ、楽しいゲームの時間だ。
さっと唇を舌でなめ上げて、もじゃ頭の少年を引き寄せる。目の前にせまった唇に、男は己の唇を寄せた。
―――――瞬間。
爆発的な悲鳴とともに食堂が揺れた。
もがく少年を力で抑えつけ、無理やり舌を絡ませる。
逃げる舌を追いかける男の瞳には残忍な光が瞬いていた。
―――逃がさねぇよ。
オマエがどこまで逃げてってもな。
オレは必ず。
―――オマエを捕まえてやる。
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