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< プレイメイト >
「・・・・なるほど」
――――"友希"って、わけね。
ざわつく周囲の喧騒は、しかし今の卓には耳障りではない。
目を細めた視線のその先で、鈍い音と共に殴られた肉食獣が舌舐めずりしていた。
―――こんなに楽しそうな王を見たことがない。
この学園の誰もが思ったに違いない。
「・・・な、なんなんだよっ!いきなり・・・キ、キスとか・・してんじゃねぇよっ!!」
息を荒げた獲物は、頬を色づけたまま、拳を握った己の腕で唇をぬぐっている。
小動物のように騒がしく慌てふためくその姿は、性の行為に未だなれていないことを物語っていた。
「――――近いうち」
おいしい獲物を見つけた捕食者は、不敵に笑う。
「―――オマエは俺のモノになる」
そう。
宣言して。
一体、ソレは『誰』に言い聞かせた言葉だったのか。
卓はただプレイメイトになった不可思議なこの学園のトップを凝視していた。
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友希(友達希望)
プレイメイト(遊び友達)
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