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< プロブレム >
―――――特Sクラスの教室にはひそひそと生徒たちの声が零れていた。
特殊システムを持つこの学園の特Sクラスには授業中、必ず空いている席が二つある。
―――――間宮祐一郎は黒板に数式を書き終えるとゆっくりと教室の生徒達を振り返った。
途端、静まりかえる教室で数学教師の目には空いた二つの席が飛び込んでくるのだ。
―――――学生の本分は勉学である。
それが間宮祐一郎の思うところではあったが、この学園の特殊システムは頑なにそれを拒む。
『―――――bye,センセ。俺に愛を語るならちゃんと列に並びなよ』
――――数週間前、あっさりと消えて行ったその背中をどうしたら振り返らせることができるだろうか。
キ――ン、コ――ン。
カ――ン、コ――ン。
「――――――今日はここまで」
パタッ。
――――閉じられた教本にある数式よりも間宮祐一郎には頭を使わなければいけない難問がある。
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