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< 扉の向こう >
Knock, and it shall be opened unto you.
『叩けよ、さらば扉は開かれん』
――――ねぇ、そう言うけれど。
開かれたその扉の先に。
獣が待っていないって。
――――ねぇ、そう言い切れる?
さぁ、笑って太ろう。
楽しもう。
人生は短いんだよ。
思いきり楽しまなくちゃ。
例え扉の向こうに。
―――――獣が待っていたとしても。
「――――Faint heart never won fair lady.チキンじゃ美女は落とせないってね」
ざわめく食堂で神崎卓はニヤリと笑うとテーブルを覆う影にゆっくりと顔をあげた。
「――――――神崎」
――――――そこには赴任して半月の数学教師が立っていた。
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