Main
< 憎まれっ子 >
ねぇ、憎まれっ子はね。
―――世に憚るものなんだよ。
Those who are hated lives tough.
だから、睨んだって消えたりしないんだ。
だから、睨んだって喜ばすだけなんだ。
――――タチの悪いペテン師をね。
「―――――迎えに来たよ、お嬢様」
ドアに寄りかかり腕を組んだ色男はざわめく教室にことさら甘い笑みを送った。
しかし、返ってくるのは複数の敵意。
――――まるで騎士がお姫様を守るように子羊の机の周りには何やら物言いたげな男達がこちらを見ている。
すぐ近くで目のあった男に小さくウィンクすると、楽しそうにニヤリと笑って甘く甘く"恋人"の名を呼んでやる。
「――――――ま〜さき君」
―――――可愛い可愛い愛玩動物のように。
――――ガタッッ!!!
慌てて立ち上がった子羊の顔はまるで死刑台に上がる罪人で。
だから、神崎卓は余計にニヤリと食えない笑みでクラス中を見回してやるのだ。
Do you know me?
――――ねぇ、相手が誰だかわかってる?
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!