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短編3
「会話文」
「おはよぉ」
「おう、おはよ」
「もう、俺だめ……」
「何がだよ。まだ朝イチだぜ?」
「なんでお前そんなにテンション高いんだよぉ。分けてくれよぉ」
「高くねぇよ普通だよ。っつっても、どーしてもっつーなら分けてやっても良いけど、一個千円な」
「一個?」
「ほら。千円」
「なんだよただの飴じゃねえかよ。そんなんで千円も取るなよぉ」
「ははは、じょーだんだよ。じょーだん。ほれ」
「さんきゅー。っつーか、なんでお前飴なんか持ち歩いてんだ?」
「腹減った時の緊急用」
「緊急用が飴かよ。飴じゃ腹膨れねーよ、もっと他にあんだろー」
「たまたま家で見つけたんだよ。それよかお前、なんでそんなに沈んでんだ?」
「んー、あれだよあれ。昨日のさ」
「昨日の? ああ、言ってたあれか……期待外れ?」
「期待外れ……だったらどんなに良かったか。それ以前の問題。そもそも置いてなかったっていう」
「ああー、そりゃ残念」
「予約、しとけば良かったかな。大丈夫だと思ったんだけど」
「まあ、それが確実だな」
「そーだよなー。あー、失敗した……って、お前何取り出してんの?」
「ん? ゲーム」
「お前、ゲームやったっけ?」
「そりゃ、お前がうるせーからなー。やってみよーかなー、って気になって昨日買ってきた」
「ふーん。で、何やってんだ? ……って、それ!」
「おー、俺が最後の一個買ったらしーぞ」
「なんだとぉ? お、お前のせいで、俺の……俺の……!」
「ふはははは、出遅れたお前が悪い」
「くれ!」
「じょーだん」
「貸せ!」
「飽きたらなー」
「くっそ、取り上げられちまえ!」
「そんなヘマはしねー。……おっ」
「な、なんだ?」
「んーとな、今……」
「やっぱ言うな! ネタバレ禁止!」
「……ほう、ネタバレか。そうだなー、してやっても良いぞ?」
「コラ貴様、殴るぞ」
「暴行罪で通報してやる。ゲームを取り上げられそうになって、反抗したら殴られたんですぅ、ってか」
「てめぇ、現実にしてやろうか……?」
「ひゃははははは、じょーだんじょーだん」



 笑いながら思い出す。
 ……そういえばこいつの名前はなんだったか。
 よく一緒にはいるんだけど。仲良いんだけど。……今更聞けないよなぁ。

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あきゅろす。
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