、 僕がこの学園を選んだ理由はそこにある。 特進科の生徒にのみ貸し出している、学園保有のマンションがあるらしい。引っ越しもしようと思っていた僕にはちょうど良かったんだ。 ああ、そう考えると普通科でなくて良かった。 『いいかい、寮ではなくマンションだ。一般の人はいないが住人と仲良くして欲しいし、その地域のルールもある』 「はい」 『学園のマンションとはいえ、普通に1人暮らしするのと同じだから勘違いはしないでくれ』 「はい、もちろんです」 食事は出ない、近所の迷惑を考えろ。いわれなくても分かるソレに、僕は大きく頷いた。 もちろんお金を払うことも承知しているし、自慢ではないが僕はお金には困ってないのだから。 しっかりと書類に目を通し、最後に判を押して完了だ。 『……確かに。これで君はここの生徒だ』 「これからよろしくお願いします」 『三学期は13日からだ。それまでに引っ越しをしておくといい』 「はい。……あの、部屋の場所などは…」 『ああ、それはマンションにちゃんと管理人がいるから。そっちに聞いてくれ』 「…はい。では、失礼します」 [*前へ][次へ#] [戻る] |