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僕は一度頭を下げ、理事長室を出た。学園の中はまた今度見るとして、今は先に引っ越しをしなければならない。
たくさんの書類を持ち、大きな学園をあとにした。
僕の今住んでいるところは、ここから駅5つ分いったところになる。
もう三が日が終わっているせいか、それなりに混んだ電車に乗り込み、変わる景色を呆然と眺めた。
家具は持っていかなければいけない。日用品はこの際、全て一新しようか。服も着るものと着ないものを分けてしまおう。
それから…パソコンなどは向こうでどう接続すればいいのだろうか?まぁ、それはあとで考えよう。
僕の場合、執筆はパソコンではなく紙とペンでやっていた。
編集者には悪いのだが、その方が書きやすかったんだ。タイピング、僕はうまくないし。
でも…そうだな。この紙とペンも一応持っていこう。僕の気持ちがいつどうなるか、僕にも分からないのだから。
「はぁ…残りは本、か…」
僕の本もだが、自分が好んで集めたものがたくさんある。それは誰かの作品であり、小説のためにと集めた資料でもあるのだが、量がハンパない。
執筆に使っていた部屋の7割が本で埋め尽くされ、歩く道が唯一作られているだけだ。
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