、 「本当に気にしなくていいんだよ。やりたくてやったし、大志くんと仲良くなれたしね」 「……はい、ありがとうございました」 「うん、こちらこそ」 ふわりと見せる綺麗な笑顔に、僕はまた顔を赤くしてしまった。 同性をも惹きつけるとはこのことなのだろう。でなければ僕のこの気持ちはおかしなものになってしまう。 だがしかし、たった一言のお礼で帰ってもらうわけにもいかない。 「っ…あの!もしご迷惑じゃなければ夕食をご馳走させて下さい!」 「……え?」 「手伝っていただいたお礼がしたいんです。もし嫌じゃなければ…その……」 なかなか返事がもらえないことに、僕の声はどんどんと小さくなっていく。 今日会ったばかりの人間とご飯なんて、やっぱり嫌だろうか?僕だったら…ああ、断るだろうな。 失敗した、僕がそう後悔したとき。 「……嬉しいな。じゃあ遠慮なくいただこうかな」 「……ぇ、あ…はい!」 綺麗な微笑みとともに未來先輩はそういってくれた。飛び跳ねそうな気持ちを人前だといい聞かせて抑え、作る時間を少しもらうことにした。 約束した7時まではあと2時間近くある。まずは、空っぽの冷蔵庫にものを詰めなければいけない。 [*前へ][次へ#] [戻る] |