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それは雨音だから。彼を理解できる者はこの世にはいないだろう。
心の軽くなった睦月は遠慮なしに抱きついた。
「なんや かわええわ!これから仲ようしてな」
「仕方ないですな。仲良くしてやりますよコノヤロウ」
「……………」
「あ、モエきゅんの時間です!」
サッと睦月の腕の中から抜け出し、テレビをつける。その姿はもうオタクそのもの………なのに何故かそうは思えない。
ジーッとみる雨音を後ろから抱き締め、睦月も一緒にアニメをみた。
■□■□■□■□睦月side■□■□
俺が案内を頼まれたんは、滅多にない試験満点編入生。
元々難しく作られとるらしいからよっぽどの天才や。
………いや、オタクやったけど。
でもオタクやのうて不思議ちゃんやな。
なかなか掴めへんし…疲れるわ。
やけどオモロイ。
退屈しとった毎日に、えらい風が吹いたみたいやわ。
それにちっこくて何やかわええんよ。
メガネの下もなかなかええ顔しとったし。
きっと飽きはせぇへんな。
雨音、もっともっと楽しませてぇな…。
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