8 それは雨音だから。彼を理解できる者はこの世にはいないだろう。 心の軽くなった睦月は遠慮なしに抱きついた。 「なんや かわええわ!これから仲ようしてな」 「仕方ないですな。仲良くしてやりますよコノヤロウ」 「……………」 「あ、モエきゅんの時間です!」 サッと睦月の腕の中から抜け出し、テレビをつける。その姿はもうオタクそのもの………なのに何故かそうは思えない。 ジーッとみる雨音を後ろから抱き締め、睦月も一緒にアニメをみた。 ■□■□■□■□睦月side■□■□ 俺が案内を頼まれたんは、滅多にない試験満点編入生。 元々難しく作られとるらしいからよっぽどの天才や。 ………いや、オタクやったけど。 でもオタクやのうて不思議ちゃんやな。 なかなか掴めへんし…疲れるわ。 やけどオモロイ。 退屈しとった毎日に、えらい風が吹いたみたいやわ。 それにちっこくて何やかわええんよ。 メガネの下もなかなかええ顔しとったし。 きっと飽きはせぇへんな。 雨音、もっともっと楽しませてぇな…。 ■□■□■□■□■□■□ [*前へ][次へ#] [戻る] |