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「なんや、普通にチョコやん。どれも同じなんやな」


「切って溶かしただけ…だけどね、むっちゃん…僕、いっぱいいーっぱい気持ちを込めて作ったの。食べてくれる…?」


「も、もちのろんやぁあいただきますっ!」



 無表情の上目遣いに睦月25のダメージ!操られたかのようにチョコに食らいついた!

 残りの2人もパクッと普通に食べます。
 うん、味はチョコ。
 見た目もチョコで、まぁ大量生産されたやつだよね、みたいな。

 でも中身は…。



「くぅぅ、これが雨音の作ってくれたチョコなんやな…美味い、美味いで雨音。俺なんや幸せすぎて昇天してまいそうや…っ」


「ふん、まぁうめぇけど、来年こそは俺に本命を渡させてやるぜ?」


「ありがとうございます。でも雨音くんがバレンタインを意識するなんて意外ですにゃん」


「「……えっ?」」


「えっ、にゃ、にゃんですかこれは…!!」



 閏、目を見開いて口に手を当て、驚きます。みんなも驚いてます。
 あの閏が猫語を使ってふざけるなんて…と。

 でも本人にその気はない。
 勝手にニャンニャン口から出たのだ。


 みんなが戸惑っている中弥生はチロッと雨音を一瞥し、その雨音は至極普通に、落ち着いた…いや好奇に満ち溢れた声でこういった。


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あきゅろす。
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