15 「なんや、普通にチョコやん。どれも同じなんやな」 「切って溶かしただけ…だけどね、むっちゃん…僕、いっぱいいーっぱい気持ちを込めて作ったの。食べてくれる…?」 「も、もちのろんやぁあいただきますっ!」 無表情の上目遣いに睦月25のダメージ!操られたかのようにチョコに食らいついた! 残りの2人もパクッと普通に食べます。 うん、味はチョコ。 見た目もチョコで、まぁ大量生産されたやつだよね、みたいな。 でも中身は…。 「くぅぅ、これが雨音の作ってくれたチョコなんやな…美味い、美味いで雨音。俺なんや幸せすぎて昇天してまいそうや…っ」 「ふん、まぁうめぇけど、来年こそは俺に本命を渡させてやるぜ?」 「ありがとうございます。でも雨音くんがバレンタインを意識するなんて意外ですにゃん」 「「……えっ?」」 「えっ、にゃ、にゃんですかこれは…!!」 閏、目を見開いて口に手を当て、驚きます。みんなも驚いてます。 あの閏が猫語を使ってふざけるなんて…と。 でも本人にその気はない。 勝手にニャンニャン口から出たのだ。 みんなが戸惑っている中弥生はチロッと雨音を一瞥し、その雨音は至極普通に、落ち着いた…いや好奇に満ち溢れた声でこういった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |