2 え、第二ボタンくれ? それってあれだろ、好きな奴の思い出としてもらっとくっていう共学ではよくあるアレだろ? 無表情なのにどこかキラキラした顔の雨音にお願いされ、皐月は平常心を保ちながらも頭をフル回転させた。 ちなみに、今も周りにくれといわれていたのだが、それはなかったことにされたらしい。 「……ダメ…?」 「っ…んなに俺のが欲しいのかよ」 「欲しい!くれ!くれさっちゃん、ブチッととって僕にちょーだいっ」 「テ、メ…どうせなら可愛いキャラ突き通せよ…」 「む?…こりゃ失敬。ちょーだい?」 「はっ、まぁいいぜ。せいぜいこれ見て俺のこと思いだ「ありがとさっちゃん!じゃー遠慮なく」…っ」 ブチッっとね。 くれるっていったから遠慮なくブチッっとね。 そして雨音はそのまま閏に向き直り、コテン、と首を傾げた。 ……が、やはり平凡がやっても可愛くはな、 (っ…かわっ!) あ、皐月にはスッゴい可愛く見えたらしいです。閏もさっきより穏やかな表情を浮かべたし。 [*前へ][次へ#] [戻る] |