オマケ─皐月・閏編─
「………あ、発見発見、ターゲット確認!」
卒業式も終わり、寮へ帰る3年へ群がる1・2年……というより皐月たちに群がる親衛隊。
キョロキョロと双眼鏡を持ってまで辺りを見回していた雨音は、ターゲットを発見していそいそと双眼鏡をしまった。
ターゲットまで約50m。
クラウチングのポーズをとる雨音に、気づいた数人は慌てて道を開けた。
だって怖いもん!
雨音なら避けずに突っ込んでくるしっ!
「ピッ、ピッ、ピーッ」
──シュダッ!
「キャーさっつきせんぱぁーーいっ!!」
「あ゙?……は、雨音?」
『『えっ、ひ、キャアア!?』』
甲高い声を出して猛スピードで向かってくる雨音に、皐月と閏の周りに集まっていた人は一斉に道を開けた。
恐るべし雨音パワーッ!
「お、…おい待て、止まれっ」
──ピタッ
記録、5.9秒。
さすが雨音である。
「はっ、…皐月先輩…あの、その…」
「あー?なんだ、珍しく今日はしおらしいじゃねぇか」
「っ…第二ボタン下さいっ!!」
「………あ?」
『『いやーダメーッ』』
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