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「……ねーねーヒナちゃん」


「………」


「……むー日生くーん」


「……んぁ?」


「へへ、これから一年間、よろしくね」


「っ…あ、ああ…」



 ちなみのちなみに、これが日生が雨音にオチた瞬間である。

 下から上目遣いで覗かれ、へらっとした滅多にない笑みを見せられ、チョンと袖を引っ張られ。

 まぁ平凡だけど、可愛く見えちゃったんだよね、これが。



 でも次の瞬間、少し後悔することになる。



『卒業生、退場』


「うは、キリーツ!せーのっ、ほーたーるのぉーひぃーかりーっ」


「ギャアアやめて雨音ホンマ泣いてまうううっ」


(……やっぱ断っときゃ良かったか…)


((曲違うのにぃい!!))

((や、やっと解放される…!))



 思うことは人それぞれ。
 だが一つ分かること。それは、雨音の歌のうまさに結局みんな関心し、涙ぐんだということだろう。

 イッツ雨音マージック♪







──ガラッ


「ふぃーいやー長い式でしたなー」


「「あ…雨音っ!」」


「よっ、ヤヨちゃんむっちゃんおめっとさん」



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あきゅろす。
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