17 「……ねーねーヒナちゃん」 「………」 「……むー日生くーん」 「……んぁ?」 「へへ、これから一年間、よろしくね」 「っ…あ、ああ…」 ちなみのちなみに、これが日生が雨音にオチた瞬間である。 下から上目遣いで覗かれ、へらっとした滅多にない笑みを見せられ、チョンと袖を引っ張られ。 まぁ平凡だけど、可愛く見えちゃったんだよね、これが。 でも次の瞬間、少し後悔することになる。 『卒業生、退場』 「うは、キリーツ!せーのっ、ほーたーるのぉーひぃーかりーっ」 「ギャアアやめて雨音ホンマ泣いてまうううっ」 (……やっぱ断っときゃ良かったか…) ((曲違うのにぃい!!)) ((や、やっと解放される…!)) 思うことは人それぞれ。 だが一つ分かること。それは、雨音の歌のうまさに結局みんな関心し、涙ぐんだということだろう。 イッツ雨音マージック♪ ──ガラッ 「ふぃーいやー長い式でしたなー」 「「あ…雨音っ!」」 「よっ、ヤヨちゃんむっちゃんおめっとさん」 [*前へ][次へ#] [戻る] |