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理事長の前にはマイクがあり、それはもう会場の後ろの人にまでバーッチリ聞こえてしまった。
驚愕の声があがる中聞こえる、弥生と睦月の声。けれど当の本人、すっげー落ち着いてます。
「僕は考えました。学校生活をしていく上で、生徒会長になるというのはつまり、この学園を支配したことに等しいのではないかと。
うは、僕すげー。会長やりたいっ」
「ちょ…っ、雨音なにいってんの!それもらってさっさとおりてきてっ」
「うぅむ、しかし僕は今卒業するつもりはないのだよ。やらねばならぬものがあるんだ!」
「何いってんだ水無月、お前の卒業はもう決まってるし、大体会長ももういるしなぁ、」
「やりたいやりたいやりたぁぁいっ!ダメ?……ダメ?」
『ゔ…っ』
ちなみに今唸ったのは理事長である。
いいだしたら聞かない雨音。
弥生に腕を引かれてもバタバタさせて、そこからテコでも動く様子はない。
もはや卒業式どころじゃないね。
「それに3年もう一回やるってことは留年するってことだよっ!?いーわけ?」
「せやっ。みんなに一年遅れて大学就職…気まずいでー?」
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