11 理事長の前にはマイクがあり、それはもう会場の後ろの人にまでバーッチリ聞こえてしまった。 驚愕の声があがる中聞こえる、弥生と睦月の声。けれど当の本人、すっげー落ち着いてます。 「僕は考えました。学校生活をしていく上で、生徒会長になるというのはつまり、この学園を支配したことに等しいのではないかと。 うは、僕すげー。会長やりたいっ」 「ちょ…っ、雨音なにいってんの!それもらってさっさとおりてきてっ」 「うぅむ、しかし僕は今卒業するつもりはないのだよ。やらねばならぬものがあるんだ!」 「何いってんだ水無月、お前の卒業はもう決まってるし、大体会長ももういるしなぁ、」 「やりたいやりたいやりたぁぁいっ!ダメ?……ダメ?」 『ゔ…っ』 ちなみに今唸ったのは理事長である。 いいだしたら聞かない雨音。 弥生に腕を引かれてもバタバタさせて、そこからテコでも動く様子はない。 もはや卒業式どころじゃないね。 「それに3年もう一回やるってことは留年するってことだよっ!?いーわけ?」 「せやっ。みんなに一年遅れて大学就職…気まずいでー?」 [*前へ][次へ#] [戻る] |