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大和学園高等部入学式2日前、彼はやってきた。
「うむむ…困った。非常に困りました」
デカい門の前で腕を組む彼、水無月雨音(アマネ)。
ボサボサの髪にデカい瓶底メガネ。服もチェックのシャツをズボンにいれ、リュックをしょっている。
いわゆるオタクルック。
「あー困った。僕はどうすればいいのでしょう」
何が、それはデカい門が開かないこと。
でもいってる割には困ったようにはみえないが。
「………登ってみようかな」
そういってデカい門に手をかけたとき、どこかで待てーという声が聞こえてきた。
「ちょ、今開けたるから!」
「それはありがたい」
「つか…こっち裏門なんやけど」
「おお…それはそれは」
「あんさんな……」
その関西弁に開けてもらった入口を通ると、盛大に溜め息をつかれた。
だけど雨音が見ているのに気づくと顔をキリッと引き締める。
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