3 「俺は新年睦月。ジブンの案内頼まれた奴や」 「……え、自分で自分を案内?ほぅ…世の中にはまだ不思議なことがあるなぁ」 「ちゃうわ!ジブン言うんはあんたのこっちゃ。何やねんホンマ」 はぁ…と溜め息をつくのは同じ一年の睦月。茶色の短髪と耳の赤いピアスのせいで少しヤンチャに見えるが、かっこいい。 「溜め息つくと幸せが飛んでゆくよ」 「………名前は」 無視をするらしい。 「水無月雨音。アマオトと読む奴はぶっ飛ばすんで4649!」 「ぶっ飛ばすって…喧嘩強いんか?」 「いやぁ…ノリだよ君」 (扱いづらっ!!) オタクルックの癖に普通に喋るし、でもいってることは変なことばっか。 睦月は呆れつつも不思議な雨音に興味を惹かれた。 「で、ムッチャンは何をしに来たんだい?」 154cmの雨音に対し睦月は179cm。 グッと首を伸ばし、コテンと傾げた。 「案内頼まれた言うたやろ。行くで」 「よし、頑張ってくれムッチャン」 「……せめて睦月にしてや」 「よし、頑張ってくれ睦月」 (……はぁ) 睦月が心の中で溜め息をついて2人は歩き出した。 [*前へ][次へ#] [戻る] |