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「っ、くそ…マジやべぇな…」


「ねぇ雨音…なんか変なものでも食べた?僕たちじゃなくて雨音のせいでおかしくなってる気がするんだけど」


「………はて、変なもの変なもの…食べてないですな」



 うんうん、と頷く雨音に、睦月撃沈。


 だってあれは飲んだわけで、食べてないもん。ふと思い出したアレに、雨音はそう解釈づけてみた。

 や、だから、それが原因です。



「……で、では…理科室で得体の知れないものに触れたりなど…?」


「おぁっ!そうそう聞いてよ!あのね、今日やーっと何かが完成したんだっ。効果はまだ分かんないしどんなものかも不明なんだけど、僕嬉しくて。へへ、……あ、でもそれさっき飲んじゃって、美味しくなかったなー」


「「………は?」」


「ズルルルッ!……ぐぇほっ、ゲホッ、酢をかけすぎました。……ん?」


「「の、んだ…?」」


「うむ、ジュースと間違えて飲んだのだよ。あ、それが原因かなぁ」



 ズズズズズ…ッと麺をすすりながら首を傾げる雨音。

 もちゃもちゃと口を動かせばみんなが脱力していて、雨音は傑作!といわんばかりに携帯で写真を撮っていた。
 雨音のフォルダには、人の楽しそうな笑顔の写真なんて一枚もないのである。



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あきゅろす。
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