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「ふんふふふーん♪……いやーしかし、今日の卯月たちは変わってましたなぁ。そう思いませんか?」
………え、誰に聞いてるの?
な雨音は部屋に帰ってきて、丸に"実" とかかれたダンボールを漁っていた。
それは "実験用" の箱。
器具や今まで雨音が作った薬やら。そこに新入りが入り、雨音は嬉しそうだ。
口元だけがニヤニヤと笑っている。
──ピンポーン
「……んむ、客。新聞はいりませーんっ!!」
「そうでっかー…ってちゃう!俺や俺!」
「オレオレ詐欺は電話でお願いしまーすっ」
「そらそうや!……ってやからちゃうー!新年睦月ですぅ!」
「あ、むっちゃんか。今出るー」
今までのやり取りは本気だったのかどうか、それは雨音のみぞ知る。
ダンボールを丁寧に丁寧にていねーいに片付け、5分後、ようやく玄関のドアを開けた。
「………あ、おっそいや……、」
「………むっちゃん?」
「っ、ぶっはー!!なななな…っ!?雨音はんん!?」
「うわ、凄い鼻血。きちゃない」
「な、え、風呂上がり!?それとも誘っとるん!?何やこの胸のドキドキはーっ!」
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