[携帯モード] [URL送信]
17
 貪るように口づけられ、雨音は苦しそうに眉を寄せた。ピチャクチュとイヤらしい音が理科室に響き、雨音の力がどんどん抜けていく。

 貞操観念低いの。
 その場の気持ちに流されやすいの。多分。



「ん…!んーっ、ん、ふ…っ、んぅーんぅーっ」



 ……あ、でもキスは下手みたいです。
 苦しくなった雨音は必死に唸り、それに気づいた卯月は口を離した。

 ツゥ…っと銀の糸が夕日に照らされ、なんかイヤらしい。



「はっ…カハ、ぁ…はぁっ、くる、し…っ」


「ぁ………あ、わ、りぃ…?」


「ふー……卯月、どうしたの?」


「いや…今日の雨音、が…変だろ」


「む?僕はいつも通りなのだよ。卯月、熱あるの?」


──ピトッ



 と、くっつけるのは雨音と卯月の額。
 するといつも以上にドクンと心臓が高鳴り、卯月はまた雨音にキスをした。

 いつもは利く理性が、今日は利かない。



「ん、んぁ…っ、や、ふ…っ!ぅ、…づきぃ…っ、んーっ、はぁっ…ン」


「っは…あめぇ…」


「………むぅ、今日の卯月変!僕は帰るっ」


「え……あ、雨音…?」


「一昨日来やがれってんだべらぼーめ」



[*前へ][次へ#]

18/37ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!