17 貪るように口づけられ、雨音は苦しそうに眉を寄せた。ピチャクチュとイヤらしい音が理科室に響き、雨音の力がどんどん抜けていく。 貞操観念低いの。 その場の気持ちに流されやすいの。多分。 「ん…!んーっ、ん、ふ…っ、んぅーんぅーっ」 ……あ、でもキスは下手みたいです。 苦しくなった雨音は必死に唸り、それに気づいた卯月は口を離した。 ツゥ…っと銀の糸が夕日に照らされ、なんかイヤらしい。 「はっ…カハ、ぁ…はぁっ、くる、し…っ」 「ぁ………あ、わ、りぃ…?」 「ふー……卯月、どうしたの?」 「いや…今日の雨音、が…変だろ」 「む?僕はいつも通りなのだよ。卯月、熱あるの?」 ──ピトッ と、くっつけるのは雨音と卯月の額。 するといつも以上にドクンと心臓が高鳴り、卯月はまた雨音にキスをした。 いつもは利く理性が、今日は利かない。 「ん、んぁ…っ、や、ふ…っ!ぅ、…づきぃ…っ、んーっ、はぁっ…ン」 「っは…あめぇ…」 「………むぅ、今日の卯月変!僕は帰るっ」 「え……あ、雨音…?」 「一昨日来やがれってんだべらぼーめ」 [*前へ][次へ#] [戻る] |