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「おお、では頼んだ睦月君。ふはは、ラクチン」


「……って重!雨音こんなん持ってきたんっ!?」


「うむ、丁寧に扱いたまえ睦月君」



 気分はさながら、教授と助手である。


 さっきの重そうで無表情ながらも上目遣いだった雨音はどこへやら。
 カバンを睦月に渡すと、ポケットに手を突っ込みながら白衣を靡かせ、颯爽と歩き出した。

 いやもう、みんな道開けるよね。
 生徒が白衣ってだけで異様だもんね。



 ……ちなみに弥生は生徒会室へ書記の仕事をしに行きました。忘れられがちですが、弥生は一年にして書記です。




──ガラガラ


「……………あ?」


「お、卯月。ヤホーヤホーヤマビコー」


「…………おぅ。どうした」


「ここを借りに来たのだよ。ん、睦月君、それはそこに置いといてくれたまえ」


「あー…お、俺は帰っても…?」


「………いつか君も、実験の素晴らしさを知る日がくることを願うよ…」


「す、スマン雨音俺にはムリやぁああーっ!」



 優しい…ような目で見られても、雨音の趣味ばかりは理解出来ない。睦月は荷物を置き、がむしゃらに走ってそこから逃げた。



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