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「っせぇな誰……あ?」
「よっ!おひさー僕水無月雨音」
「………どうした」
「あのさ、明日から放課後、理科室貸してくれない?」
「理科室…?」
「え、いいの?わーいヤッタ、さすがうーちゃん話しがわっかるぅ!……じゃ!」
ダダダッ。
片手をあげて器用に後ろ向きで走る雨音。
卯月ぼーぜん。
(なん…は?え、理科室がなんだ?……俺、答えたか?)
答えてません。
とりあえず伝えときたかったという思いだけあったのか、雨音は返事すら聞かずにいってしまったのだ。
というか、断らせるつもりがなかったのだろう。
残された卯月はしばし呆然とし、明日くるならそのときに聞けばいい…と考え、そのまま部屋に入っていった。
卯月も結構適当。
………と、いうことで次の日の放課後。雨音は睦月と弥生をつれ、あの理科室にやってきた。
──ガラッ
「こんちゃー」
「……………おう」
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