11 「っせぇな誰……あ?」 「よっ!おひさー僕水無月雨音」 「………どうした」 「あのさ、明日から放課後、理科室貸してくれない?」 「理科室…?」 「え、いいの?わーいヤッタ、さすがうーちゃん話しがわっかるぅ!……じゃ!」 ダダダッ。 片手をあげて器用に後ろ向きで走る雨音。 卯月ぼーぜん。 (なん…は?え、理科室がなんだ?……俺、答えたか?) 答えてません。 とりあえず伝えときたかったという思いだけあったのか、雨音は返事すら聞かずにいってしまったのだ。 というか、断らせるつもりがなかったのだろう。 残された卯月はしばし呆然とし、明日くるならそのときに聞けばいい…と考え、そのまま部屋に入っていった。 卯月も結構適当。 ………と、いうことで次の日の放課後。雨音は睦月と弥生をつれ、あの理科室にやってきた。 ──ガラッ 「こんちゃー」 「……………おう」 [*前へ][次へ#] [戻る] |