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そして顔を洗って朝食を作る。
もうすっかり馴染んだようで、作る時間さえ短縮されてしまった。
「今日は何をするんですか?」
「よくぞ聞いてくれましたうーちゃん!あのね、ブランコ作ろうと思うんだっ」
「……本当に作るわけ?雨音が?」
「うむ、任せたまえ弥生くん」
エッヘン、と胸を張る雨音。
心配そうに見つめる閏と弥生だが、雨音の気持ちは変わらないらしい。
早速、といわんばかりに森へ走っていく。
「ってちょい待ちぃ!」
「くっ…離してくれ睦月…僕は行かなきゃいけないんだ…!」
「そ、そんなん嫌や…ってちゃうわ!どうやって木ぃ取り出すん!」
「…………ノコギリ?」
「無理だろ…」
「変なとこでバカだよね、雨音って」
弥生の言葉にみんなが頷く。
天才というのは、ときに思考がぶっ飛ぶものだ。
by.水無月雨音
結局ブランコの材料は次の日に届くことになり、雨音はつまらなそうに小屋の方へと消えていった。
暇があれば動物の相手をする雨音。
最近ではお風呂に入っても獣臭がとれなくなってきている。
ハッキリいって臭い。
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