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─冬樹side─
あの人を、あれから何回か見かけるようになった。
毎日来る人や、定期的に来る人に混じって3、4日に一回。
いつもなんか睨んでくるけど、
よく分かんないし、
特に気にもしてない。
「冬樹、今日は診察早いっていったでしょ?」
「……………………はい」
お母さんは、いつも俺を見て何を思ってるんだろう。
どうでもいいけど、
泣くようなことだけは嫌だ。
俺は何も返せないし、
どうにも出来ないから。
「最近はあそこにいる時間、多くなったわね」
「そう?じゃあそうなんじゃない」
「………冬樹…」
そんなこと、
知ったこっちゃない。
どうせそれしかやることないんだから、どれだけいようが関係ない。
ただ、見てるだけでいい。
それが楽で……
1人ではないと思えたから。
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