○
─朱雀side─
イライラする。
胸くそわりぃ。
俺を蔑む目も、
好奇の目も、
いっそのこと全部消えりゃあいいのに。
あいつを見つけたのも、
そんな俺への視線がウザかったから。
一年前からひでぇ喧嘩もするようになって、たまに病院に行くこともあった。
そんなときにあいつを見つけた。
最っ高にイライラしてたときに視線もそらさず俺を見てて、
一言こういった。
「おい、てめぇジロジロ見てんじゃねぇよ」
ずっと前から病院に来る度に感じてた不気味な視線はコイツだ。
受付の、
一番後ろの端に座ってただ死んだような目をしてやがる。
俺が声をかけても何も言わずに視線を外しやがった。
「チッ………うぜぇ」
こんな所で殴るわけにもいかねぇ…。
横の椅子を蹴って、その日は帰った。
俺は何か、そう聞かれりゃ不良の一言で終わる。
黒だった髪は金に染め、
耳にはたくさんのピアスをした。
族には入ってねぇが喧嘩も強い。だから余計に狙われて怪我も多くなる。
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