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「まぁ…何もないならいい。ほら、メシ食って風呂入るぞ」


「うん。トモさんは1人でお風呂入れないからね」


「は…、ちげぇよ。お前が気を失って溺れないように、だ」


「…………うん、知ってる」


「んな顔するな。もっと笑っとけ」




それはそれは、
壊れ物を扱うように俺の頭を撫でた。



"悲しいまま死ぬな。
笑って楽しかったといえるような、そんな生き方をしろ。"



ずっと、
ずっとそう言われてきた。

だから、
トモさんの前ではなるべく笑うようにしてる。








でもトモさん。


ほんとは俺、
この笑顔をあなたにも覚えてほしくないんです。




「背中流してあげるー」


「……今日はどうした。いつもしない癖に」


「したかったから。それとも、嫌?」


「嫌じゃねぇよ。頼む」






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