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(…お茶、飲みたいんだけどな…)
「缶よりはペットボトルだな。蓋も出来る点は評価すべきだ。同じ値段なら量の多い方を選べ。幸いここは自販機と購買が同じ値段だ、わざわざ購買へいかなくても損は出ない」
「はぁ」
「栄養ドリンクは本当にそれが必要なとき以外は買うべきではない、損だ。スポーツドリンクは体にいいかもしれんが、運動をしない僕たちには特に必要ないだろう。こまめに水分補給していれば問題ない。ガブガブ飲むバカ共を見ていて腹の底から笑ってやりたくなるだろう?」
「…はぁ…、?」
ならないのだが。
蒼は止まらない経理の自販機で買う損得話しに、非常に困り果てた顔を浮かべた。確かに経理のいってることも一理ある。だが、そこまでいうなら水筒でも持ってこい、といいたくなった。
これだけベラベラ話しているのに、経理が水筒を持ってきたところは一度も見たことがない。きっと、そういう盲点に気づかないところが "バカ" なんだろうな、と蒼は密かに思った。
「オススメは炭酸だ。100%のジュースもいいが、これは自分でも作れるだろう。搾りたてに比べれば味は劣る。炭酸は作ることは難しい。その点を考えると、炭酸を買い、他は自分で用意するのがいいと僕は思うぞ」
「炭酸、ですか…」
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