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よりが戻ったその日に、蒼は幸作を呼び出し、別れを切り出した。ワケを話せば幸作はツラそうな顔をし、けれど笑顔でいようと空元気な姿を見せてくる。

ここ最近の蒼を見ていたら、なんとなく予想はついていた。
豊を目で追い、一つ一つの仕草にほんのり顔を赤くして。

いや、始めからそうだ。
きっと豊を忘れた日なんて、1日もないのだろう。



「おれ…幸作がいてくれてほんとよかった。寂しくなかったし、いっぱい優しくしてもらえたし」

「…おう」

「こんなこというのは卑怯だって分かってる。幸作を傷つけてることも分かってる。でも…これから先も、友達でいてほしい」

「友達、な…」



都合のいいことをいっているのは十分分かっているが、それでも蒼にとって幸作も大事な人なのだ。
だから、友人としてこれからも付き合っていけたらいいなと思った。

しかしふと視線を外した幸作を見て、蒼はいってはいけないことをいってしまったと思い、謝ろうとして…驚いた。



「なーにいってんだよ、蒼!俺らは親友だろっ?」

「こ、さく…」

「ったく、んな顔すんなって。それに…責めるなら豊のやつトコトン責めてやるしな」

「え、豊?」

「だってそうだろ?あいつがフラフラしなきゃよかったわけだし、一発殴んねーと気がすまねー!」


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