[携帯モード] [URL送信]
26
「豊とのことは自分でなんとかするからさ、気にしなくていいから」

「…そうか?」

「豊もいってただろ?おれ、そんな弱くないって」

「あ゙ーもーほんとだな!蒼はすげーよっ、…でも、何かあったら頼ってくれよな?」

「サンキュー幸作」



今度はちゃんと笑うことが出来た。なんて思いながら飲み物を買い、2人は部室へ戻るのであった。

遅い!と半ベソをかいた拓に迎えられるとは思いもせずに。







蒼は強い。
強いというか、多分そこまで女々しいわけじゃない、というだけかもしれない。ツラいことはツラいし、豊と花梨を見ていると嫌な気持ちにだってなる。

自分の方が先に出会ったのに、先に好きになったのに、まだ付き合っているのに。どうして、花梨なんてこなきゃよかった。早く戻ってきて。許すからまた好きだといって。

…蒼は、始めこそ少しだけそう思った。けど、今はもう。



「…ん、んぅ、豊く、こ、こんなとこで…っ!///」

「クク、顔真っ赤にして睨んでもなぁ」

「も、もうっ!それに…だって、豊くん、青野く、…んっ!」



その名前を聞きたくないのか、後ろめたさを隠したいのか。再び花梨の口を塞ぐ豊を、蒼は冷めた目で見つめた。


[*前へ][次へ#]

26/40ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!