26 「豊とのことは自分でなんとかするからさ、気にしなくていいから」 「…そうか?」 「豊もいってただろ?おれ、そんな弱くないって」 「あ゙ーもーほんとだな!蒼はすげーよっ、…でも、何かあったら頼ってくれよな?」 「サンキュー幸作」 今度はちゃんと笑うことが出来た。なんて思いながら飲み物を買い、2人は部室へ戻るのであった。 遅い!と半ベソをかいた拓に迎えられるとは思いもせずに。 蒼は強い。 強いというか、多分そこまで女々しいわけじゃない、というだけかもしれない。ツラいことはツラいし、豊と花梨を見ていると嫌な気持ちにだってなる。 自分の方が先に出会ったのに、先に好きになったのに、まだ付き合っているのに。どうして、花梨なんてこなきゃよかった。早く戻ってきて。許すからまた好きだといって。 …蒼は、始めこそ少しだけそう思った。けど、今はもう。 「…ん、んぅ、豊く、こ、こんなとこで…っ!///」 「クク、顔真っ赤にして睨んでもなぁ」 「も、もうっ!それに…だって、豊くん、青野く、…んっ!」 その名前を聞きたくないのか、後ろめたさを隠したいのか。再び花梨の口を塞ぐ豊を、蒼は冷めた目で見つめた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |