[携帯モード] [URL送信]
16
ずっと気になっていた。
だからついテンションがあがり、くい、と豊の腕を引っ張った…ら。



「そんなに早くいきたいのなら走ればいい」

「早くいきたいから走る、なんて、単純すぎませんか?」

「単純とはなんだ!走った方が早くつくに決まってるだろう!」



ははん、と提案したものをふふんと鼻で笑われ、経理は顔を赤くしていい返してきた。

足が止まる。
蒼はこうなった原因は自分かと苦い顔をし、間に入ってとめようとした。しかし、それよりも早くニヤリと笑みを浮かべた豊が口を挟んできて。



「おもしれぇ、競争か。なら罰ゲームをつけんのは当然だな」

「え、競争って…」

「罰ゲームゥ?」

「元々部費で出すつもりでいたが…ビリになったやつが今日の分を奢る、でいいだろ。部費が動かねぇなら経理も楽だろ?」

「ふむ、それは確かにそうだ。部費を使わずに済むのはいいことだな」



うんうんと頷く経理に、蒼は顔色を悪くした。競争なんて出来ないし、したとしてもビリになるのは見えている。

嫌だ!と反対の声をあげたが、ビリにならなきゃいいだろ、と膝蹴りされてしまった。



(え、え、待って、マジで?)

「誰かスタート合図しろ」

「んじゃオレー。…レディ、ゴー!」


[*前へ][次へ#]

16/75ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!