9 「だったら俺がそこいくぜ?」 「天馬はいつも一緒に食ってるだろ!おれは信司がいいんだっ!な、いいだろ!?」 そういって、早くどけ、と僕をムリヤリ隣に座らせといて追い出した。 ちょっとバランス崩したのをしーくんが受け止めてくれて、深いため息をついたあと仕方なさそうにそこに座る。 え…っと思って見てたら、しーくんはその隣のイスに僕を座らせて、ほんの少し、体をこっちに寄せてきてくれたんだ。 嬉しい…。 「なぁ信司!なに食うんだっ?!ここの何でもすげー美味いんだぜっ!」 「っ…隣にいるんだからもう少しボリューム下げてくれ…」 「ボリュームとか意味分かんねぇよ!なぁ天馬っ!」 「くっ、そうだな」 「めぐるがわざわざ話しかけてくれてるんですから、愛想よくしたらどうですか」 「四葉、そんなこといっちゃダメだろ!?信司は緊張してんだよ!な?!そ、そうだ!おれが手、握っててやるよ!」 人肌感じるとなんか落ち着くだろ!?っていって、めぐるくんはしーくんの手を握り締めた。 その目は、どこかキラキラと輝いてしーくんを見つめていて、僕はズキリと心が痛む。 [*前へ][次へ#] [戻る] |