*酷くなるイジメ。話を聞いてくれないみんな。そして、その原因を作ったあの子は、笑顔で僕を突き落とした。
――ドタッ
「…っ、い…た」
『クスクス、いい気味』
『オタクと一緒に早くここから出てってよ』
「っ…」
また、足引っ掛けられた。
めぐるくんがいないときはいつもそう。今まで以上の陰口に、陰湿なイジメ。
なんか投げてきたり足引っ掛けたり背中押したり…。
…めぐるくんがいるときはめぐるくんにか、大声あげられるのがうるさいからやらないか、なんだけど…。
僕が何したの?っていいたいのを押し殺して、体を起こす。
だって、いったらもっと酷くなるもん。少しガマンすれはまだ済む話、だから。
「はぁ…」
「…あれ?奏!何してんだっ!?」
「あ、めぐるくん…ううん、ちょっと…」
「なんだよもしかして転けたのか!?マヌケだなー奏は!ほらノート、拾ってやったぞ!」
「う、うん、ありがとう…」
ズイ、と出されたノートを受け取ってお礼をいいつつ、他のものも拾って立ち上がる。
そこで気づいた。
めぐるくんだけじゃなくて、その横に荒木くんもいることに。だからさっきより周りの視線が…。
「メグはやっさしーなぁ。…それに比べて、どんくせぇの。廊下の真ん中で転けるとか邪魔で仕方なくねー?」
「っ、ごめ、なさ」
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