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先に痺れを切らしためぐるくんが、相手を殴りかかろうとした。慌ててそれ止めたけど離せっていって、弾かれた手が顔に当たる。

ダメだよっ、先に手を出した方が悪くなっちゃうから…っ。



『き、きゃ…っ』

――パシィン!

「…っ、なんだよお前!離せっ!」

「暴力を振るおうとしてるのを見逃すことは出来ない。一旦落ち着け」

「あ…」

『か、勝様!?』



しー、くんだ…しーくんだっ!
大好きなしーくんが、久しぶりに会うしーくんがそこに…っ。

めぐるくんの手を押さえて、チラッと僕を見た。眉間に少しシワが寄る。どうしたんだろう…。



「親衛隊だろうとそうじゃなかろうと、制裁なんてことしていいはずがないだろう。それに、…カナには手を出すなといってあったはずだ」

『っ…ご、ごめんなさい。でもっ』

「もういけ。今日のことは、まだ何もなかったということで見逃してやるから」

「お前!勝手に決めんな!は、なせーっ!!」

『っ、ありがとうございます!…いくよっ』

「ああ!いっちゃったじゃんか!」



ほわぁ…しーくんかっこいい。
それで、凄く冷静だ。



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