30 先に痺れを切らしためぐるくんが、相手を殴りかかろうとした。慌ててそれ止めたけど離せっていって、弾かれた手が顔に当たる。 ダメだよっ、先に手を出した方が悪くなっちゃうから…っ。 『き、きゃ…っ』 ――パシィン! 「…っ、なんだよお前!離せっ!」 「暴力を振るおうとしてるのを見逃すことは出来ない。一旦落ち着け」 「あ…」 『か、勝様!?』 しー、くんだ…しーくんだっ! 大好きなしーくんが、久しぶりに会うしーくんがそこに…っ。 めぐるくんの手を押さえて、チラッと僕を見た。眉間に少しシワが寄る。どうしたんだろう…。 「親衛隊だろうとそうじゃなかろうと、制裁なんてことしていいはずがないだろう。それに、…カナには手を出すなといってあったはずだ」 『っ…ご、ごめんなさい。でもっ』 「もういけ。今日のことは、まだ何もなかったということで見逃してやるから」 「お前!勝手に決めんな!は、なせーっ!!」 『っ、ありがとうございます!…いくよっ』 「ああ!いっちゃったじゃんか!」 ほわぁ…しーくんかっこいい。 それで、凄く冷静だ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |